六月に雨が

You should take your umbrella.

Before Night Falls

 

 

 

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SDカードに残っていたデータ。
夕暮れに撮ると暗い。暗いなぁ。
落ちた葉っぱが積もって寝床のようだ…と童話のようなことを考えていたのに、晩秋のよう、夜のようで、暗い怖い森の話を思い出してしまった…

 

 

虫食いだらけの葉っぱや積もる落ち葉に、人間以外の生きものやその冬篭りの準備…そんなことを考えていたせいか、巨大な猫の夢を見た。

流れも何も覚えちゃいない、目が覚めてすぐにもう曖昧だったけれど、ただただ大きな大きな猫、毛の感触と、波打つように大きくゆっくりとした呼吸、その横で丸まるように眠っていたような覚えが残っていた。

起きたらしとしとと雨で、水の音がしていたことも混ざっていたのかもしれない(規則正しい自然の音は安心・安眠すると聞いたことがある)。だけど夢の中で穏やかに眠っていたなんて、おかしな夢だ。

 

週末は晴れていて、毛布や肌着やマフラーやセーターを出したり干したり入れ替えたり…人の冬の準備を。面倒なので年々簡単に済ませるようになっている(進化か退化か?)けれど、天気の良い秋の日にいちどきにそういうことを済ませるのは、面倒だけれどすっきりするような、よしいつでも来い、と安心なような気がする。

 

雪の降らない地方に生まれたものだから、実際に北陸の冬がやって来ると、重くどこまでも垂れ込めるような鈍色の雲に頭から押さえつけられているようで、おぶおぶおぶ…と寒さそのものより冬に怯えるような気持ちもあるのだけれど

夜中にドーンと地響きのような音を響かせて屋根から落ちてくる雪怖っ、とか雪はいつか溶けて必ず春が来るはずなのに、雪かきをしている間はキリがないような気がする…とか雪の実際も知ってもういい加減慣れたはずでも

やーね、という顔をしている内心のどこかで、初雪だ、積もった、真っ白だ…とまだいちいちちょっと、ワッとはしゃぐような、ワンワン駆け回りたいような気持ちもやっぱりあって、なんだかんだで憂鬱だけれど好き…というような複雑な気持ちを冬に持っているのを、近づいてくると思い出す。

困るほどは降らないで欲しいけれど、全然ないのも寂しい気がする…と結局わがまま勝手を思うのだけれど、でもどんな冬が来るのかは来るまではわからない…だから先回りして絶対勝てないものにふふん、とちょっとだけ勝ったような気分だけでも味わいたくて、早めに準備して、安心を得ているつもりなのかもしれない。

 

 

夢じゃない、実物の猫は、朝から窓辺に張りつくように寝そべって、何かおもしろいのか、寒くなるので体力を温存します、なのか、秋雨の外ばかり眺めている。

忙しい時ほどうにゃうにゃと寄ってきて、昨日もセーターを出しているそばから上に居座ったりしていたくせに、ふとこちらから見た時にはまったく人のことなど知らん顔で、自由か、あなたが自由の女神か、と言いたくなるけれど、夢で見たあんな巨大な猫が窓のところに一日中寝そべっていたら…と思うと場所塞ぎでたまったものじゃない、気ままだろうとただのふつうの猫でよかった…のかもしれない。

自由でいい、あんなに大きくならないでいいけれど、とりあえず寒くなるまでに、ふくふくとフサフサと身を蓄えて、あなたなりの冬を迎える準備をしていてください。