六月に雨が

You should take your umbrella.

アンコール!!

 

 

 

モノクロっぽい加工、というのを少ししてみたのだけど…あまり変わらないかもしれません、と気がつきました。やっぱり風景が天然モノクロなのか…

 

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久しぶりに夢を見た、というか起きてからも覚えていた。

 

プー●ンが出てきたのだった。プーチ●はケガをしていて血だらけ、上半身の右半分に碁盤の目のように傷があって、左肩も負傷しているらしく出血している。それを治療というか手当てしようとしているらしい私の手に持っているのはだけど、小学校の時転んで擦り剥いたりしたら保健室で保健の先生が消毒してくれた、ピンセットに挟んだ小っちゃくて丸い消毒液沁みこませる脱脂綿だ。

そんなものでどうにかなる傷なのか?!わからないけれどとにかくそれで何とかしようとしていると電話が鳴る。

この瞬間のプーチンの目が怖い。怖かった。何考えてるのかわからない目なのに、電話に出ろ、と目で言っているので飛んで電話に出ようとすると、あら不思議

すでにもう受話器が外れている、昔ながらの黒電話。

まだ古くさい電話のベルの音がしているのにな、と思いながら受話器を持ち上げると(なぜかダンベルくらい重い)

相手の声は夢の中でよくあるように聞き取りにくいものの(なぜか夢の中の電話はスムーズだった試しがない)

相手は日本の普通のおっさんの声で、そこでなぜか私は「先日はどうも」と電話の相手が神社の神主さんのように思って挨拶しているけれど相手のおっさんは

「違いまっせ、わたしは板金組合です」などと言うので勘違いを詫びずにごまかそうとしている私の背後で、あのくらいのケガはなんてことなかったのか

ガバっと立ち上がったプー●ンはけっこうな大きさの小熊を「高い高ーい」している、すごく盛り上がっている感じで。

…背後にプーチ●、電話は窓際に置いてあり目の前の窓から見える校庭には、真ん中に小さな田んぼがあり、そこではどんど焼きの準備がされていて、その周りにゾクゾクと集まって来ている消防車とタクシーの集団と人力車…

わけがわからな過ぎて笑いながら起きていたけれど爽快というのではぜんぜんなかった。不愉快でもないけれど自分の正気を疑う。

 

 

テレンス・スタンプの映画を思い出して、その話をしようと思いながら、どっちかというとテレンス・スタンプのことを考えながら眠ったのに、どう変換されてしまったの?かはわかりませんが、だからプーチンの夢をもう一度見たいアンコールではなく、おかしな夢はここからは関係なく、映画の話です。

 

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【ストーリー】
ロンドン。無口で気難しいアーサーは、隣近所でも有名なガンコ者で、息子ともギクシャク。唯一、笑顔を見せるのは、最愛の妻マリオンにだけ。病弱だが陽気なマリオンの趣味は、ロックやポップに挑戦するちょっと変わった合唱団“老人ズ"で歌うこと。ある日、“年金ズ"が国際コンクールのオーディションに出場することに! しかし、喜ぶマリオンに、なんとガンが再発したという告知がー。 練習に行けないマリオンのたっての頼みで、アーサーは、妻の代わりに渋々合唱団の扉を叩く。美人なのに恋愛ベタな音楽教師エリザベスや、個性派だらけの仲間との出会いは、アーサーの毎日を思いもよらない方向へ連れて行く・・・。 間近に迫ったコンクール。マリオンがアーサーにどうしても伝えたかったこととは? そして、自分の殻に閉じこもっていた72歳のアーサーを待ち受ける、新たな人生のステージとは―?!

 

主演のアーサーにテレンス・スタンプ、妻マリオンがヴァネッサ・レッドグレイブ。

名優二人のさりげないけれどとてもいい夫婦役、存在感が大きいだけに、合唱団仲間の人達の個性がそれほど際立って感じられないのが難かなぁと始めは思ったのだけれど、ただのいい話、泣かせる話、ハイハイ、と終わらせないのも二人だからかなぁと。

 

せつないというかつらい話です。愛する妻と数人の友人以外には愛想もくそもなく、気難しい男・アーサーと、体は弱っていても陽気で明るく歌が大好きで、皆に愛されているようなマリオン。

けれど互いに心から愛し合ってるだろうことがじんわりと伝わってくる、共に老いてきた夫婦二人の姿が表面的ではなくとてもいいだけに、こういう展開になっていくだろう…と思った通りに進んで行くのがとてもつらいんだけれど

その重みが、アーサーの苦しみ、苦悩のあとにマリオンが本当に望んでいたことをしよう、その夢を叶えようとすると同時に自らも前を向いていこうとする姿を、ジーンと静かに響かせているように思った。

 

こういう映画だと想像しがちな筋書き、孤独に心を閉ざしていた老人が個性的な合唱団の面々と触れ合ううちに…というような人間ドラマ、個性的な彼らのそれぞれに人生があり…というようなことは一切描かれず、そっちの予想は見事に裏切られていくのだけれど

 

最初は意外に思ったくらい、合唱団の人々のそれぞれの描かれなさも、それ故にアーサーという男の個性が大きく変化するというわけではない辺りも

だから目の覚めるようなとか、こういう映画に思いがちなクライマックス、合唱でワーっと大盛り上がりのうちに大円団という感じではなく、そんな大感動のカタルシスは得られないけれど、じわじわっと後から効いてくる、細やかで地に足の着いた描写が見終わってみれば気持ちよかった、というようなところはイギリスの映画らしいのかもしれない。

 

 

私もそんなに詳しいわけでなく、けれどアーサーがただド偏屈で意味もなく気難しい爺さんで、合唱団の人々は素直な心優しき隣人たち…という話ではなく、イギリス映画でテレンス・スタンプの感じだから、労働者階級とか…程度になんとなく曖昧に思ったことが、ちゃんと書かれているように思うので

ネタバレというか、背景とかわかってもぜんぜん大丈夫、むしろ知りたいという方は

ここの「映画レポート」という辺りとかを見てみるといいかもしれません。

 


解説・あらすじ - アンコール!! - 作品 - Yahoo!映画

 

わかりやすく簡潔に書かれている気がします。

 

そんな風だから、爺さんなんだけどなんともカッコいいんだけど、その一人立つ姿が際立って似合うような孤高っぷりが

実際に身近に居たら、ちょっと…と思うような近寄りがたいムード醸しだしているのだけれど

そんなアーサーであろうとお構いなしに踏み込んでいく合唱団の指導をしている音楽教師・エリザベス(ジェマ・クリスティーナ・アータートン)の、真っ直ぐでちょっと風変わり、誰が相手でも変わらないようで、もしかしたらアーサーだから話してしまうのかもしれない明け透けな話の人間味、

アーサーと息子ジェームス( クリストファー・エクルストン)との間のわだかまり、溝がそう簡単に埋まらないのも、見ていて歯がゆいというか、どっちの気持ちにもなってう~っとかい~ってなるけれど、親子のほんとっぽくて、よかった。

 

だんだんと、ほら自分も若くなくなると、こういう映画は身にしみるというか、見るとつらくなるので目を逸らしがちだけれど、そこら辺り上手くすくいあげてくれているというか、つらくなり過ぎず、だけど、いい話っぽくして泣かせりゃいいってもんじゃないのよ、けっ、などとやさぐれさせもせず

老いや別れ、誰にもやがて訪れる時のせつなさを静かに感じさせながら、でもぽっと小さく灯りをともして、残していくようないい映画だったと思う。

 

 

 

ぜんぜん対照的な爺さんの映画というか、あんまり爺さんという感じはしないんだけど、確か同年代くらいじゃなかったろうか?と思い出したのがジャック・ニコルソンで、調べてみたらジャック・ニコルソンのほうが2こ上だったのでなんだかちょっと驚いたけれど

あくまでイメージだけど、枯れっぷりの美しいようなテレンス・スタンプも好きなら、好きなんだけどいつまでたってもなんかもうギラっという音の似合うジャックの

スゴイおもしろい、っていう映画でもなかったんだけれど

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モーガン・フリーマンとの男二人の関わり方といい、うそ~んと思うくらい突き抜け過ぎててもう笑っちゃうようなゴージャスさもアメリカらしい気がする、爺さん二人の友情物語、夢のような日々も、枯れてなんかいないようでそれでもさすがにこの年代、だけど枯れてるなんてとても人には見せられない、というような男だからこそのちょっとせつなさもあって、それはそれでおもしろく、アメリカ映画ならではな感じもいいなと思った。

 

で、そういえば日本の爺さんは?と思ったけれどそういえばこの映画、今年公開されるんだった。

 


北野武監督の新作映画『龍三と七人の子分たち』は4月公開、特報&キャスト判明 - movieニュース : CINRA.NET

 

どんだけ「ジジイ」って言ってるんだと思う予告編ですが

日本のカッコいい爺さんも油断しているとどんどんホントのお星様になって…と立て続けの別れがせつない昨年でしたが

中学生の頃の私にとってはシブいおじさまの代名詞だった藤竜也に、昔はもっとこうアクが強くてさやっぱりギラっとしてるんだけど陽じゃなくて陰ね、暗い影という個性がよかった中尾彬に、最近とみに粋を感じさせる近藤正臣

うんうん、まだいい役者さんいっぱいいるもんね。

なんかわりと、大御所になると日本の役者さんて、周りの者が気を遣い過ぎるのか、それをまたいい人だから周りに気を遣ってしまってなのか、よくわかりませんが、あまり無茶はしてくれない感じがあるのが、ちょっともったいないような気もしていたのだけど、そこは北野監督なら思う存分やってくれるんじゃないかと

今年の春は爺さんが楽しみな春になりそうです。