六月に雨が

You should take your umbrella.

レイン・オブ・アサシン

 

 

 

レイン・オブ・アサシン [DVD]

レイン・オブ・アサシン [DVD]

 

【内容】
「レイン・オブ・アサシン」の壮大な物語は、武術の奥義を窮めたインドの王子、達磨(だるま)大師をめぐる“伝説”から幕を開ける。
この達磨の遺体を手にした者は武術界の覇権を握ると言い伝えられてきた・・・・。
数百年後、明朝時代の中国。謎の暗殺組織〈黒石〉がミイラ化した達磨の遺体を手にいれようと暗躍。

ところが〈黒石〉最強の女刺客細雨(シーユー)が組織を裏切り、達磨の遺体とともに失踪する。
やがて細雨は曽静(サン・ジン)という新たな名前を名乗り、都の片隅で出会った心優しい配達人の阿生(アシャン)と結ばれる。
しかし非情なる宿命は、殺しの過去を捨て去った女性のつつましい幸福さえも容赦なく打ち砕く。ひたひたと迫り来る〈黒石〉の凄腕の刺客たち。美しき孤高の女刺客は人生のすべてを懸け、最強の暗殺組織との壮絶な最終決戦に身を投じていくのだった。

 

原題:劍雨 2010年

監督:スー・チャオピン(蘇照彬) ジョン・ウー(呉宇森)

出演:ミシェール・ヨー(楊紫瓊)  チョン・ウソン 

ワン・シュエチー(王学圻) ケリー・リン(林熙蕾) レオン・ダイ(戴立忍) バービー・スー(徐煕媛) ショーン・ユー(余文楽)

 

 

ラララ~ララララララ~ララ…主題歌が耳に残る、残る。頭から離れない。

思っていたより、ずーっとよかった。 

邦題が…良い悪いというより、どこの映画なの?というかどこにでもありそうで紛れてしまいそうになる…でも紛れてしまわずに見られて良かった、シブいけど良い映画でした。

 

予備知識なしに見たほうが楽しい気がするので、読まないで見る、という方はそうしたほうが良いかと思います。

以下はたたみます。

 

 

 

ストーリーは大体ウィキぺディアにも書いてある通り

レイン・オブ・アサシン - Wikipedia

 

ことの起こりは達磨大師、その遺体を巡る伝説が…というところから始まるけれど「え、達磨大師?何?」って心配することはない、オープニングからスピーディーに「何がどうしてこうなって、この物語が始まるよ」と分かりやすく、サクサクと紹介してくれるので、まったく問題ないと思います。

サクサク過ぎて、「えっ…ジョン・ウー?ほんとに??」ってやや唐突に感じてしまったくらい。斬新な始まりに感じましたが

 

 

伝説といい、主人公である細雨が姿を消して生まれ変わろうとする…その辺りの展開といい、少し奇抜というか、荒唐無稽な話ではあるのだけれど

映画は次第に武侠映画の風格が溢れ、趣があり

伝説よりも、それが人々に起こした悲劇、心に残した怒り、恨み、罪、贖罪…そして愛。剣を交え、技を競い合う命をかけた激闘の中に、人の心が浮かび上がってきて、悲しくせつない。

 

なぜ武侠映画はこんなにかなしいんだろう?

と思う、そのかなしみをしっかりと感じさせながら、でも最後には解いていってくれたような気がする。なぜかなしいのか、かなしみを解くにはどうすればよいのか?

ジョン・ウーらしい解に思えるけれど、私はけっこう好きです。

 

 

暗殺組織「黒石」の一員であり組織の為に非情に人を斬ることに、罪の意識や空しさを覚え、別人になり生きていこうとする静雨。

曽静、と名前も変えた彼女が、家を借り店を開き、望むとおりのひっそりとした暮らしをする、昔ながらの町並みに落ち着いた風情があり

貧しいけれど心優しい配達人の阿生と出会い、徐々に惹かれあっていく二人の、大したことを話すわけでもなく、目と目があったり逸らしたり、互いに戸惑いはにかみながらも惹かれあっていく静かな心の動き、音もなく降る雨のような情感がとてもいい。

 

近付いていく距離に、悩みながらもとうとう結婚を決意し、晴れて夫婦となった二人はつつましく仲むつまじい二人の暮らしを始めるのだけれど、消したはずのその存在を組織に気付かれてしまい_________

 

過去は消えてなどいなかった。

守るべき人の為に、曽静は封印した剣を再び手にせざるをえなくなり、物語はひたひたと悲しい予感に満ちてくる

それでも「辟水剣」と呼ばれる、誰にも真似ることの出来ない雨に切られたような傷跡を残すというその剣、曽静の動きは素晴らしく、見惚れてしまった。

 

けれど一つだけ、技の一手を教えられていなかった、という弱点が曽静にはあり、組織に戻り、そこで起こった内紛で深手を負う。

必死に家へと帰り着く曽静だったが、守るべき存在であった、夫となった阿生の秘めていた過去、驚愕の真実が明らかにされ…

 

 

過去はどれだけ悔いても変えることは出来ない、ならば罪も恨みも、忘れ去ることなど出来ないのだろうか…

 

 

本格的な武侠の香りの深く匂いたつ中、物語を見事にひっくり返す驚きの展開に、けれどますます悲劇的になっていく二人の運命に涙が止まらない。

 

 

最後にはやっぱりジョン・ウーだなぁ…と感じる温かい涙になって、二人の後姿が美しく、もうボーボーと大泣きに泣かされたのだけど…

 

 

ミシェール・ヨーの鍛え上げられたアクションの素晴らしさが遺憾なく発揮されていて、古装アクションであることでずっと映えているようで、武を極めれば舞に通ずってほんとなんだなぁとその動きの一つ一つに見蕩れてしまうけれど

戦うことの悲しみ、痛み、愛の物語とも無理なく重なって、アクションでこんなに感動させてくれるなんて…と嬉しい。

相手役のチョン・ウソンもよかった。ブームとかのずっと以前、香港映画には「上海グランド」から出ていただけあって、違和感もみじんもない。調和って大事。

ちょっと悔しいくらい溶け込んでいた。

物語を一気にひっくり返すだけのものを秘めていながら悪目立ちせず、ほのぼのとした顔も似合えば情もしっとりと感じさせ、力強さと説得力があり…とても良いだけに悔しいのは彼にではなく、今香港でこの役が出来る人は?と思うと個人的にちょっと悔しく思うだけなのだけれど…

 

「黒石」の親玉はすっぽりマントに包まれてマンガっぽいんだけど、そこから徐々に表れるおぞましさよ。王学圻の、怖いこと。ゾッとさせられる。

荒唐無稽といえばそうな奇抜な伝説に振り回される悪の組織という設定も、この人を見ていると、人の業って…と愚かにも悲しく恐ろしく…迫ってくるから不思議。

 

 

そのほか暗殺組織のメンバー、レオン・ダイの奇妙なマジシャン兼暗殺者。最初は誰だか分からず、変なマジシャンだなぁと思ったらレオン・ダイだったので驚いた。

やり過ぎ…に思えるイリュージョンのこけおどし感も、こういう性の役なんだなってのちに納得。

ショーン・ユーはちょっと地味めというか控えめだけれど、この人もまた嫁さんの為に…というのが似合う落ち着き。よかった。このまますくすくと育ってほしい。

大Sことバービー・スーの演じる凶悪な美少女は、そのお人形のような愛らしい顔に人を人とも思わぬような類の残虐さ…というのが登場からあまりによく似合っていて笑ってしまった。

未熟なだけでなく恐れを知らぬ傲慢さは、確かに一回くらいヒドイ目に合わないと成長できないかも…と思うお嬢さんだけれど、まさかそんな…と唖然とするかわいそうな目に…

この王学圻の怖さがもの凄くて、おっかな過ぎる、大Sと一緒になって泣きそうになった。震えた。一番ダメな地雷を踏んじゃったのはわかるけれどもさ…思い出しても怖い…

 

ケリー・リンは(理由あって)出番は少なめなのだけれど、印象に残る。よかった。

あの素っ気ないくらいの表情。抑えた陰り。

そして彼女に剣の弱点を教え、導く武僧の陸竹。

ドラマ版の「画皮」(映画ではドニーさんの演じていた役)の人だ。

やはり多くは登場しないけれど、印象的。

 

 

ミシェール・ヨーといえば、やっぱり「グリーン・ディスティニー」になるのだろうか、世界的にヒットした代表作のような映画といえば、と思うのだけれど

スケール大きく、武侠の風格のある悲しく美しい映画だけれど、なんか納得いかないというか、心情的にえー、なんでそうなるの?といまいち収まりきらない気がした。

そのかなしさこそ武侠、なのかなぁ…と思いながらも、なにもそんなに皆が皆して悲劇に突き進まなくても…と思ってしまったのだけれど

本作ではそんな心残りもなく、個人的にはとても気持ち良く見終えられた映画だったような気がします。

 

 

そして映画を見終わると主題歌も

油断するとつい口をついて出てくるメロディーだけでなく、歌詞も素晴らしく映画にとてもマッチしてる(と思う。)のでついつい

ラララ~ララララララ~ララ…歌えてないけど歌っちゃう。

主題歌「劍雨浮生」を歌うのはサー・ディンディン(薩頂頂)と台湾のソーダグリーン(蘇打綠)というバンドの青峯こと呉青峰。

どちらも高音の美しいボーカル。

 

そんな美しいこの曲の概要などはこちら 剑雨浮生_百度百科

これによると元々あった薩頂頂の曲を、歌詞なども変えて新たにした曲とのことで

 

吴宇森导演在歌词中讲述了一个动人的故事:很久以前有一个和尚,有一天他经过一座石桥的时候看到了一位美丽的姑娘;和尚刹那间动心了,可因为对信仰的坚定让他将爱慕之心深深刻在心里。但他向佛许了个愿望,他愿意为佛奉献500年,500年后再轮回转世,他希望他能够还俗遇到他心爱的姑娘。《剑雨浮生》的歌词中将这种深刻的爱情表达得淋漓尽致,而萨顶顶和吴青峰的演唱,营造出前世今生,轮回相见的感觉。

 

ジョン・ウー監督が歌詞の中に描いた物語は、ずっと昔にいた一人の和尚がある日、通り過ぎた石橋で一人の美しい娘を見た。この時和尚の心は一瞬にして動かされたが、信仰への固い信念から彼は愛し慕う思いを深く心の奥にしまい込み、ただ、彼は仏にも許される願望を持った。仏の為に500年を捧げ、500年後に生まれ変わり還俗し、心から愛する娘にまた巡り会う…

この歌の歌詞にはこのような真面目な愛情の表現が充分に表されていて、薩頂頂と青峰の歌は、前世が今の生を作り、輪廻、巡って出逢う感覚が出ている、とのこと。

 

 

ジョン・ンー監督の思いも反映されていて物語と寄り添うような歌だということと、薩頂頂は内モンゴル自治区出身の大陸の歌手、その音楽も民族的な個性が特徴的だそうなので、曲調や彼女の発声といい、中国風というと思い浮かべるようなものとは少し違っていることも印象的で、心に残る歌なのかもしれません。

 

 

 

 

 

 電影《劍雨》主題曲MV《劍雨浮生》正式版

 

 

私は自由に旅する花

記憶は来世で巡り会うため 前世で芽吹いた芽

恋しさは揺れる花に変わり 美しさの中に傷跡がある

五百年 あの石橋は既に風化して砂となった

ただあなたがかつて通り過ぎたから 再びあなたに会いたくて待つ


もし目を閉じれば俗世のことはハッキリとは見えず 真偽は分かち難い

もし手を離せば 愛情は瞬く間に消え去って

永遠もまたどこに


人の世で愛し愛されるには歳月がかかる

あなたがどこにいても 永遠は遠いものではない

前世から来世まで気に掛ける

新たに始まる この冬

愛と恨みは剥がれ落ちて切れ切れになる

陽が昇り花が開く 幕が上がるこの一刻は永遠に遅くはない

一生をかけても天の果ては見えない

あなたがどこにいてもそこが私の家

この時から何も怖くはなくなった

私は自由な花になった…

 

 

 

 

 

 

 

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