更衣
埃のようなのは雪。
2月はこんな季節だっ、と主張しているような雪の一日。ゆるんでいたのが嘘か幻のように重い空から止め処なく大きな欠片のふるふると降る。
週末に図書館へ行った。読みたい本には出会えず、読みたかった人の別の本をお借りしてくる。
よくあることだけれど、あれだけたくさんの書名(と著者名)をメモしていったのに、全て、というのはやや珍しい。
ふと見た芥川、直木の両賞の受賞作だけでなく候補者の他の書籍まで並べた特別展示のコーナーはほぼ空っぽで、なるほどニュースなどでも本の話題の出た季節だから、からかしら?と勝手に推測してみた。
誰かがカウンターで「まんじょうめさんの…」と言っていたのが耳に挟まって、あぁそれ私も読みたかったんですけど、貸し出し中みたいですよ…と心の中で思いながら、そういえば私は長いこと園子温のことを「そのこあつ」だと思い込んでいたことを思い出した。
字だけで見た人の名前を勝手に読み方作っちゃうシリーズ。
借りたかった本はなかったけれど、これは今日という日に読むのにとてもすごく適していると借りてきて読んでいた本。
見上げていると、いつかは必ず止む(はず)だけど、どこかからどれだけでも湧いて出てくるようで、キリがないような気がしてくる。
いつまでも降る雪を見ている時の、ときめくようで不安なような
真っ白になっていく世界、見たことのない風景に、駆け出したくなるはずむ気持ちと自分達だけが取り残されたような心細さ。
そんな雪の日の心持が詰まっているような絵本でした。
この前これではじめて読んで
なんていうか、玄関のドアに手をかけたらいきなり奥の間に上がりこんでしまっていたような感じ。あ、いきなりこういう話をポンポンするのって、ありなんだ、と新鮮でおもしろかったので。
探していた短歌の本はなかったけれど、ふと目にとまったのを借りてきたり
そして要約だけれどようやく読む。
など。
紅楼の夢だけれど、結末は悲しい話だというのは知っているけれど、彩り豊かな花園のような彼らの暮らしぶりに、またすっかり色のない世界に戻ってしまった中、花のような色とりどりの夢が見られるといいんだけどと思いつつ。
今朝もしんと冷え冷え、脱ぎかけた衣を、また更に重ねた二月最初の月曜日。もう短い日が暮れる。