六月に雨が

You should take your umbrella.

年度之歌

 

 

 

 

Kay Tse 謝安琪 年度之歌 MV

 

このミュージックビデオは、好き嫌いより合ってないような気がする。…見てると、曲はいいんだけど…と言ってる人もいるみたいなので、やっぱりねぇ…と思うばかりなのだけれど

それはともかく曲はとても歌声といい歌詞といい、せつない歌だけれど、何度聴いてもやっぱり好き、いい歌だなぁと思う。

 

 

せつない、とはいっても愛や恋…つまりラブソングではなくて

ラブソングラブソングラブソング…バラードバラードバラード・・・そんな風潮がなんだかんだいっていまだまだある中華圏の、香港の音楽界でちょっと異質といえば異質な歌。

あんまり主張の強くない歌声が逆にこういう歌をすんなり届けやすいのかもしれない。

 

ちょうどあちらではだいたい今くらいの時期、チャイニーズニューイヤー春節の前というのが各種音楽賞のシーズンで、賞などでその年のもっとも愛された歌手だとか歌だとかが「年度~~賞」として選ばれるのだけれど

この曲は「その年の歌」くらいの意味のタイトルかと思う。

作詞は香港を代表する作詞家の一人ウォン・ワイマン(黃偉文)彼の書く歌詞からは時に諦念のようなものを感じるのだけれど、この曲もそういう感じが表れている気がする。

 

一時期、あちらの評論家か何かのおじさんが「最近の歌は希望がない!」とか怒っていて、その中にたしかワイマンのこともあげられていたような覚えがあるのだけれど

確かに人を鼓舞したり励ましたり、みんな力をあわせてがんばろう!というような「希望」溢れる歌も昔は多かった気はするけれど

希望を感じないイコール絶望、ってことでもないんじゃないかなと思う。

今素直にそうだねと思えない絵に描いたみたいな希望を歌うより

たとえば、今までの理想は捨てて新しい出発を、というのはまた違う向き合い方というようなものを思うのだけれど

この歌も希望がないっちゃないのかもしれないけれど、皮肉というよりやっぱり諦念のようなものは感じるのだけれど、

ある香港映画の台詞であったけれど「過去のことにこだわり過ぎてメソメソしてるくらいならそんなものはトイレに捨てて流してしまえ!」というような

それでも前に向いて進んで行くということではあるような気がしている。

 

 

 

 

 

かつて昇った階段 かつて抱きしめた身体 かつて気にしたすべては
突然叩き壊され せつなに砂より細かくなる
美しい夜景は 原因もなく軌道から外れ すべては手放すことが出来ると私に教える 
まだ幾つもの出会っていない美しさも 手に入れては消えていくのだから それも一つの知恵なのだと

 

年度には幾多の曲があり 毎日のように流され
あなたにもっとも楽しい時間つぶしを与えた

流行した 心深く響いた一曲も
突然「過ぎた」と言われる

誰があなたのこの一曲を あなたもハッキリとは覚えていないものを

私はあなたが離れるのを見た


本当にあなたに愛されたことに高揚した
(でも)そもそもあなたは私がいなくても何でもないでしょう。

 

あなたによって輝いたことはとても高まらせてくれた
ピークを過ぎれば坂を下りていく


思い出でいっぱいの引き出し タイムマシンの中の輝き
人生の艶やかさは花が咲くようなもの ただし限りのある美しさ 

昨日を振り返れば 劇場の大きさは果てが見えないほど
またまだある幾幕かを思い切り発揮しようか
それでも舞台から降りる美しさを私がわかっていることを願う
深く頭を下げ 退けば 少なくとも敬意は得られる


誰がまた妄想するの 一曲を一生 最後まで忠誠を持たせ続けることを…

 

 

 

 

私はこの歌が好きだけれど、忠誠って言われるといやぁそれほどでも・・・ってクレヨンしんちゃんになっちゃうんだけど、でも忘れられない、何年経ってもどころかどんどん入ってくるような気がしたり、聴き続ける曲というのも確かにあると思っています。