最近読んでいた雑誌
最近というか年末からこの週くらいまで、幅広い最近ですが
MONKEY Vol.3 ◆ こわい絵本(柴田元幸責任編集)
- 作者: 柴田元幸
- 出版社/メーカー: スイッチパブリッシング
- 発売日: 2014/06/15
- メディア: 雑誌
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Coyote 特別編集号 2013 ◆ TOKYO LITERARY CITY
- 出版社/メーカー: スイッチパブリッシング
- 発売日: 2013/05/25
- メディア: 大型本
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近隣の書店に置いてあったりなかったり、なるべく書店で買いたいんだけど(書店というものがこの世にある間は)
MONKEYは・・・と訊ねたら調べる時点で四苦八苦しているのを見て諦め、売ってなかったらもう後でwebで買うことにしたのだけれど、その時一緒にオススメされたのがCoyote。
新しいのかと思ったら2013年のだったけれど
同じ出版社、どこか似たテイストだったから?
MONKEYは絵本を切り取る角度も怖くておもしろかった。大人も楽しい絵本の特集号。
MONKEYが楽しい人ならこれも楽しいんじゃないかと思ったCoyote。
「東京国際文芸フェスティバル」の特集ということだけど、谷川俊太郎の書き下ろしの詩「東京」から始まり、内外の様々な作家や本の話がインタビューや対談など収録されているのだけれど、実際のフェスティバル、色々な形で展示、展開されている現代の文芸を眺めているような
その場の空気まで感じられる、自分が実際にそこにいるような感じのする臨場感ある良いレポを読んでいるような感じがした。
幅広いけれど薄くない、内容の濃さと、奥行きがその気になればどんどんありそうな楽しい号でした。
「横道世之介」見てから朝ドラも振り返るようにグッときたというか、ふと読んでみようかなあと思って。珍しい特集じゃないかと思います。
二人三脚でやってきた二人がマネージャーが退職するということで、女優とそのマネージャーの別れを記念して、そんな特集あんまり見たことないでしょ?
楽しい女同士の話であり、一人の女優が成長し朝ドラの主演になるまでの物語でもあり、人が人を育てるという話でもあるような気がした。
出て来るものは自然に出て来る、ってその土地が特別に良い、誰にでもわかるほど良いことありそうな匂い漂わせてる時の話じゃないかしら
今はそうでもない感じなら尚更、ちゃんと育てないと未来はどうなっちゃうんだ?
門外漢もこのうえないですがそんなこともつらつら思っちゃった本でした。
ちゃんと育てられた吉高さんは、だからこれからもすくすくと今度からは自分の足でいい女優さんになっていってほしいなと、それも思っちゃった。
以前映画で共演したというソル・ギョングもちょっとだけ登場。ちょっとだけど、らしいなぁ、と思う話、楽しかった。
ハイハイ、80年代とはいえ色々ある。一まとめにするとさすがに個々は薄まる、80年代知らない人がこれ読んで分るのかな?という気はした。
町山町蔵さんとよしもとばななの対談が挟まってるんだけど、パンクはよく知らないのでこれを読んで「ぅおー」となるかもしれない人の気持ちはわからない、
今は作家の町田康という人がかつてパンクの町田町蔵だった、と知っているくらい。なんとなくくらいの伝説のような記憶(昔のバンド名が口に出して言えないよ!とか)しかないんだけど
話していたこと
今までの延長でやっていると「なんやねん!」っていうことが色んなジャンルであった。
結局、ロックってなんだったのかって改めて考えると、権威や権力的なものに意味もなく刃向かうということ。
それは理屈じゃなくて、ただ刃向かっているんですよ。一応もっともらしいことを言ったりするのかもしれないけれど
なんかが印象に残った。
自分達はこうだって言う、なんだ!?って言うけど自分達が正しいっていうんじゃなくて、だからカウンターなんだというようなこと、いいとか悪いとかじゃなく、そういう感じだったような気がするなぁと。
そういう、すべてじゃもちろんないけれど、少なくとも自分の感じていた空気のようなものを全体的に思い出した本だったような気がします。
個人的にはRCの80年代でもあったのだけれど、RCというか清志朗というか、それについて思っていたなんだかんだは、でもちょうどというかたまたま話題にもなっていたし、もういいかと。
すごくよく知る人や関わりのある人たちの話もあるので、そんな感じばかりじゃもちろんないんだけど。
ただ語り続けられていくことは必要なことなのかもしれないけれど、そこはやっぱり今はいない人にあんまり勝手に甘えるのはもうやめたほうがいいと思うぜべいべー。
あとやけに目についたのはケラの写真。あのアイラインにくっきり縁取られたお目目。ナゴムっ子っていうのじゃぜんぜんなかった、なんかそれでもよく覚えてて懐かしいような気がした「あぁ…」あの顔…って。ケラリーノ・サンドロヴィッチじゃなくて、有頂天のケラ。
ところでどうして「ナウい」はしんで「ダサい」だけは生き残ったの?と唐突に思ったりしたけれど
まぁ、どうぞ、って言われても使う気は…今書いててもムズムズする言葉だけれども、みんながみんなそんな感覚がしたから?でしょうか?
あ、言うまでもないですが「宝島」の80年代、とても宝島的な本でした。
普段買ったことのない雑誌はまずどこにあるかがわからない。しかしそこは何となくだいたいこの辺り…とつけた見当のあっていた時のなんかニコニコしてしまうこと。
ちょうど生まれて初めて短歌の海に足先つけたくらいのところに「川柳・俳句・短歌はじめました!」というのはこれはいい、と開いたら穂村弘の話も載っていて、あとは基本的な話だけれどまぁよかったなと思いました。
なんだか自分で買っておいておかしいよと自分でも思うのだけど、妙に照れくさいような、勝手に見ちゃってゴメンみたいな奇妙な感情に、なかなか開けませんでしたが、インタビューを読ませていただきました。ご尊顔も拝見した。
苦手な人というのは誰にでもいるだろうけれど、私にもいて、それはなんというか真っ直ぐな目で何でもフラットに見て、私の底の浅さなんか一目で見透かしてしまいそうな気がしてしまう人で
見るからにキッと見抜いていやる!というような鋭い眼光なんかではなく、なんだったらノンキそうにも見えるくらいごくふつうの顔をしているのだけれど
真っ直ぐにじっと見ているその目は何もかもちゃんと見ている気がして、だから私の情けなさなんかもう簡単にすべて読まれてしまう気がする、自分の情けなさを棚に上げて、苦手だなぁと思うのだけれど
初めて姿を見るその新人作家さんは、そんな目をしていたのだった。
だから私はこの人の書いた小説をきっと好きになるだろうと思った。だってこの人の目に間違いはないのだ、私の苦手は信用できるということでもある。
ちゃんと見て、見ているだけではなく心もすくいあげる小説を書いているようにインタビューからも感じられた。
「ビオレタ」はポプラ社から初夏に発売予定とのこと。楽しみに待っていようと思う。
少し内容も紹介されているのを読んで、あら、と個人的にささやかに楽しみな理由も一つ出来てしまった。
最後はいつものクウネル。
はじめて物語、ミルクせんべいのあとを継がれた娘さんがなんだかとてもいい。ほしよりこの漫画「B&D」はやっぱりいいなと思ったり、そして川上弘美の連載。
ずっと読んでる人にはお馴染みの登場人物が…というのもあるけれど、読み終えてなんだかホッとした。ホッとするような話ではないのかもしれないけれど、今こうやって読んでホッとするようなものなんだな自分にとってはと思ったり。
時々抜かしつつもほぼ定期的に読んでいる雑誌は今これくらいかもしれないのだけど、それもやっぱり川上弘美の短編の為というのが大きいのかもしれない。今の私にとって必要な物語ということを、なんだかあらためてわかったような気がしました。
一時期、体調的なこともあったけれど、ずっと好きで読んでいた作家が世を去ったり、もう新刊は読めないんだなということも少しあって、本から離れていたりもしたのだけれど、知らない間にとても好きないい作家が登場していたり、また好きな本、読み続けたいと思う作家にも出会えたり、新たな作家も誕生したり。
勝手に寂しがってるんじゃないよ、とそれらの人や本に言われてるみたいで、まだまだ読み続けられるだけ読み続けたい。ゆっくりとでも。そう思えるようになったことがとても嬉しいと、今日は雑誌の話だけれど思うのです。
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