go across.
こっちからも
あっちからも伸びて
もうこの辺りは葉桜になってきていたのに
向こうの橋を隠してしまうように
枝と花が重なって
桜の橋が出来そうなほど。
今にも川に零れ落ちそうな枝は釣り糸垂れてるみたい、釣れまっか?
花のカーテンのような場所も。
葉の上にも桜
地面にも、草の間にタンポポと桜。
川への階段も花びらがいっぱいに敷かれていた。
ここから光の加減か、突然ピントが合わなくなる。
陽射しの加減がまた変わってピントもまた合ったけれど
空は青いけどちょっと重そうなくらいの濃い青になっていた。
肉眼で見ていると、同じように天気が良く変わりなく見えていても、秋の抜けるような空とはやっぱりどこか、何かが違うなぁと思う春の空。
なんだろう、肉眼には見えない薄布一枚がずっと太陽との間をヒラヒラとゆらゆらとしているような、そんな感じ。
それで気まぐれに陽が眩しいほど差したり、翳ったり。
この週末、日曜日も全体としては晴れていたけれど、時々そんな感じで曇って
桜はもうずいぶん散りかけている所もあったけれど人出は多く、外が嬉しい季節、肌に感じるのは機嫌の良い赤ん坊のような朗らかな空気で気持ちよかったけれど
陽の当るところではすっかり温かなのに、日陰に入ると途端に涼しい、ひんやり冷えて感じるほど。
なるほど、春は一日の中でも極端な違い、変化に気をつけないといけないんだなと、頭よりよっぽど敏感に反応しては飛び出すくしゃみや鼻水に、教えられていた。
ところで21世紀のホームズ、SHERLOCK / シャーロック 。私はたしか以前にシーズン2まで見たんだっけか?
SHERLOCK/シャーロック シーズン1-3 コンプリート DVD-BOX
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CSでまたシーズン1の初めのほうを放送していたので、ながら見したけれどやっぱりいい。
この間御手洗さんのドラマ化の時、ちょっと…と思ったのは、そうだよやっぱりこれを求めていた、この映像とか音楽とかいうより、それもだけれど、
このスピード感だったかもしれないと。
ワトソンがなんだかんだであっという間に引っ張り込まれて、だけど人を勝手に引っ張りこんでおいてそんなことお構いなしに、平気でそのワトソンと、ワトソン視点、というより、より間抜けな視聴者である私も置いてきぼりにされそうな、この感じ。
なぜわからないんだい?こんなこと、自明のことじゃないか
そんなことをいわんばかりに、どんどん先を走っていく天才に、振り回される石岡くんとその他凡人のみなさん…というの。
たとえばこのSHERLOCK / シャーロックで、部屋から飛び出して螺旋階段を駆け下りて行く、待ってくれと上から必死で説明を求めるのに、頭の回転そのままに忙しなく早口で説明しながら、滑るように駆け下りて行くホームズに、それでも理解が追いつかないで見送るしかない人々…というように
理解できない奇人変人のようだけれど惹きつけられる魅力、蝋のように青白くて不健康そうで、端整なのにどこかファニーでポーカーフェイスで、でも事件を追うことに他人には理解し難い喜びがあり、それが原動力になって生きているように見える…
最初の一話だけで、このシャーロック・ホームズというのはこういう人ですよ、というのが伝わってきて、いっぺんに引っぱりこまれ、追いかけていきたくなる。
そりゃ別物だし舞台から何から違う、比べるものでもないんでしょうけど
このホームズはもっと孤独の影も大きいし、それに飲み込まれまいとしているようでいつ飲み込まれてもおかしくないような、少し不安定で複雑な個人の内面も抱えてもいるようだけれど
でも御手洗潔のシリーズって本当に、最初は呆気にとられて石岡くんと共にポカンとしながらも、どうするんだ?どうなるんだ?と追いかけてしまうような御手洗さんに、こういう空気を感じていたし、そういう所が私は見たかったんだなぁと勝手なことを思ったりしていたのでした。
海外ドラマだって当然当たり外れはある、映画だとすぐ全米が泣いてるようにドラマのCMも、ほとんどが全米かヨーロッパでナンバー1の話題作、大ヒットと言い過ぎていて、年に何本ナンバー1があるの?って思っちゃうんだけれども。
”大きな反響を巻き起こした” ”前代未聞の”
という表現も大好きみたい、多過ぎるのは逆効果な気もしないでもないけれど。
でもこのSHERLOCK / シャーロックはやっぱりおもしろい。
ミステリー、探偵ものが好きなら、被害者の携帯電話の行方を「持ってないはずがないだろう?」と気にし、ダイイングメッセージがパスワードだと気がついたりと、21世紀らしく現代的な機器を駆使しながらも、やっぱり鋭い観察眼と洞察力と頭の回転が冴え渡る、古のベーカー街だって十分似合いそうな、独自の風格あるホームズも、きっと好きになるんじゃないかと思います。