台北 台北
暑うございます。
…って昨日はそんな夏そのもののような陽気だったけれど、一昨日は涼しいくらいだったし、さて今日はいつくらいの季節の感じなんだろう?…毎日が手探りのようです。
謝和弦 R-chord – 台北台北 Taipei Taipei
Taipei、と書いてあるけれど台湾語の曲。だから「タイパッ、タイパッ」と聴こえる。風景、映像だけでなく
まだ覚えてる、林強の「向前走」を聴いて、俺は台北駅へと着いた…
と始まる。
台北という町に、地方から出てきた俺、俺達の心の声が聞こえるか、と呼びかけ
故郷の人々へ、どうかいつか成功する日を待っていてくれ…いつか…と自分自身にもそう言っているような気がした。
若者の歌のようだけれど、
台北、台北と歌いかける台湾語の響き、多くの感情の色が見えてくるような歌声がなんともグッと、後を引くように残る。
台灣風味ってなんだ?と言われてもうまく説明できませんが、以前この同じ曲の最初のバージョンやそのほかこの人の歌をちらっと聴いた時には、同じ曲や同じく台湾語で歌っていても、あんまりピンと来なかった。
最近の、と言い出したら年とった証拠なんだろうけれど、えーとでも別に批判も否定もしていない、
単純に最近は、えーとあなたはどこの人?とパッと見聞きしただけじゃわかんないような印象を受けることがあるんだけれど
今だと今風の感じというと韓国の若い人っぽい人けっこう多いなとか、ただこういうのって巡り巡ってるというか
昔なら日本風の、ちょっと前なら香港アイドル風っぽいなとか、なんか順繰りに回ってるもののような気がするので、
だからどうこうって話でもない気がするのだけれど、好きな感じとか好みは当然あるにせよ
それはさておき林強の「向前走」といえば、おー知ってる、とすぐ思った。さすがに知ってるぞと思うような、ようは大ヒット曲だった、というだけでなく
台灣の人たちにとっては地方から都会へというだけではなく、勇気を持って前へ進めというような力強い励ましになった曲でもあったような。
本土、と日本語では本国とか、島に対しての本州だったりするけれど、中華圏で本土といえば、生まれ育った土地や、自分たちの地元ということで
「本土化」というと最近の香港なんか正にそういう感じが日に日に高まりつつあるのかもしれないと思うけれど
台灣でも何年かごとに、たとえば音楽や映画や文化的な流行、ニュースで垣間見る政治の情勢だったり色んなものふくめたり、重なり合ったりしながら、外国から垣間見てる外国人である私にも
そんな地元意識の強まりや高まりのようなものを感じる時があって
そういえば前回、音楽なんかのムーブメントでそういうことを意識したのは、大体10年くらい前のこと、だったっけ…と
で、この曲が、ということではないんだけれど、この曲を聴いているうちにそんなことをふと思い出していた曲でした、という話。
その林強の「向前走」はこちら。
林強 Lin Chung(Lim Giong)【向前走 Marching forward】
今見ると、なんでこの歌で踊ってるの?とも思うけれど、
”友達はぼくのことを白昼夢見てばかりいるバカなやつと笑う
どんな道だって自分が歩くんだからかまわない”
この歌がすごく響いたというのはやっぱりなんとなくわかるような気がします。
ところで先日、6月27日に、台湾ではゴールデンメロディーアワードという音楽賞が開催されていたのでしたが
受賞一覧はこちら台湾アップルデイリーでどうぞ
今年の司会者はハーレム・ユー(庾澄慶)
歌手が本業とはいえ、まさかノミネート曲を司会者が次から次へとバリバリ歌いながら(サビやさわりだけだけど)音楽賞が始まるとは…笑ってしまったけれど
一開始就High!と盛り上がっていただけでなく、ベテラン歌手で、長年人気司会者でもあるだけに、ノミネートされ客席の前のほうにズラリと並んでいる歌手達との間にも信頼関係があるのが感じられて、ジョークとかも空回りしてないようで、みんな楽しそうだったし
サービス精神豊富な司会だけれど、各人のパフォーマンスといい音楽的なライブ感覚が強く感じられる賞だったと思う。
ノミネートの発表を見ていた時から、今年はわりと順当といおうか、最優秀女性歌手に選ばれた阿メイ、張恵妹はもうとっくにディーヴァ、なんだかんだあっても台湾を代表する女性歌手の一人だろうし、男歌手に香港からのイーソン、国語アルバム賞受賞のジョリン…と
誰がどの賞を受賞しても文句も出ないだろうけど、そうなんだ、と思うだろうなと思っていた、良くも悪くも引っ掛かりのない顔ぶれに感じていたのだけれど
司会者が一生懸命騒がしく賑やかに盛り上げようとしているのに、なんかみなさんスーンとして…とノミネート歌手や関係者ふくめた観客席…が映るたびに見てるこっちがなぜか冷やっとしていた時なんかとは違って
それぞれの様々な実力、歌やダンス、パフォーマンスにライブの上手さなどしっかり見せてもらえて、中継で見ていてもじっくり感じられる、あぁこれ生で見ていたらより楽しそう、と思う賞に感じられた。
パフォーマンスゲストでショウ・ルオ(羅志祥)が登場(シンチーの西遊記~はじまりのはじまり~では白塗りで虚弱な妖怪ハンター・空虚王子を演じている)というのもちょっと意外でおもしろかった。
ノミネートではなく、ゲストパフォーマンスとして、というのは頼むほうも頼まれるほうも、あんまり現地で現役感強い人だと色々難しいのかな、とか思うけれど
ロートルだから個人的にはオールドスクールも万歳、で楽しかったですけど、どうなんだろうね?と思っていたこともあった過去から
逆手というか、今回ノミネートされてないけれどバリバリ人気や実力ある楽曲やパフォーマンスにも光を当てるという試みにも思えて
そりゃ万人が楽しいわけではないでしょうけれど
少なくとも会場の雰囲気も中継で見ている限りは悪くなかったみたいで、個人的なすごい楽しみや喜びは今回はなかったけれど
なんだかんだ音楽が大変(音楽そのものがではないと思うんだけど)という話も、というかそればっかりだとも思う中でも
楽しくがんばってる人たちがいて、楽しませてもらってよかったなと思う賞でした。
受賞曲もいいけれど司会頑張ってた、永遠十八歲的音樂頑童・ハーリンの曲も。
ホラー映像も出てくる(基本はパロディだけど)ので苦手な人はちょっと閲覧注意。
庾澄慶 Harlem Yu - 在一起 Be Together (官方版MV)
同じく台湾の歌手で、「康熙來了」など人気司会者でもあるS.O.Sの小S・徐熙娣との奇怪なデュエット曲。
庾澄慶 Harlem Yu - 哈你歌 Honey Song (官方版MV)
ぼくだって金曲歌手なんだよ、とか言っていたけれど、バラードとかすごいせつない歌、懐メロをその時代のノリで絶妙に甦らせたりと、いっぱいいい曲もある人なんだけど、パッて検索したらまず出て来るのがこういうテイストなんだもの…MVとはいえ本人の趣味がけっこう反映されてる気がする…
おもしろ司会者のお兄さんだ!と思われるのも、澄ました顔はしていられないらしい、サービス精神あり過ぎだからかもしれない。
ついでのように小Sと大Sの姉妹デュオ、現ASOSがS.O.Sだった頃。
ASOS 十分鐘的戀愛
デビュー曲だったでしょうか?忘れたけど可愛い。こんな可愛いのに日本のアジアン音楽バラエティで「台湾のシスターオブシュー、徐氏姉妹でーす」って登場して「子供の頃の夢は?何になりたかったですか?」ってアイドルっぽい質問にふつうに「社長」と答えていた姉・大Sといい、基本はあんまり変わっていない、頼もしいと思う。