saving the best for last.
田んぼがラテアート的になっていた。
神社やお寺の周りは緑が色濃く豊かなことも楽しみの一つなのだけれど、冬枯れの今、葉は散り色は褪せたようでも、自由なのか、はたまた風雪のせいか…理由はわからないけれど、その枝ぶりのユニークな奔放さなども目を楽しませてくれる。
狛犬さん
こちらの狛犬さんは何やら勇ましげで頼もしく「守っている」感じが強そうだなぁといつも思う。
お社に目をやっているうちに雨が大粒に、少し激しくなり始めていた。
お顔立ちの立派な狛犬さんも雨に打たれ、艶やかに。
社の屋根も濡れて黒光りしていた。
境内の南天の葉や
社務所の傍の緑や花も、雨に緑が輝いていた。
壁に繁殖する苔だって、しっとりとしているのを好むだろう。
一つだけ木の実が残っていた。烏瓜?だろうか?
それではまた来年、お目にかかりにまいります。
お参りしている時から雨脚が強くなって、傘を片手に片手で撮影はいくらイージーなデジカメ撮影とはいえ難しく、おまけにレンズに雫でも入ったのか、曇ったような滲んだような写真になってしまっているけれど構わずに帰り道。
帰途の途中、突如雲の隙間からお日様が顔をお出しになる。
雲と光が鬩ぎあう。
覆いつくそうとする雲に、まだもう少し…抵抗でもしているような陽が覗く中
田んぼにはやっぱりラテアートのような模様。
動物が残した跡っぽい気もするのだけれど。必ず円を描いている、という以外は全て謎。時折冬の田んぼで見かけては、
ミステリーサークル的なものを描きに来た何者かが、雪と水の冷たさに、「こんなもんやってられるかっ」と途中で投げ出した…というようなことが真夜中に行われていたならおもしろいだろうな…と見かける度に思って一人でにこにこしてしまう。
「残り福」神社の人出はまぁまぁでした。
ついこの間、なんなら二三日前に初詣していたような気がするんだけど、もう10日も過ぎたのねー、ホント早いわーと、笹と熊手を手に帰った。
ところで「残り福」から残り物には福がある→ saving the best for last.ときたら思い出した曲。これ聴くとプリシラ思い出してしまうな。
Vanessa Williams - Save The Best For Last
プリシラ(The Adventures of Priscilla, Queen of the Desert)はかなり好きな映画で、香港映画じゃない映画でサントラまで買ったのはこれだけかもしれない。
それぞれの事情がある3人のドラァグクイーンが、シドニーから砂漠を越えるバス・プリシラ号での旅に出る。ロードムービーだけれど、目も眩むような華やかで煌びやかなメイク、ゴージャスな衣装を身にまとい、旅そのものもまるで舞台、ショーのよう。その隙間から零れ落ちるように見えてくる、彼らの現在過去未来…
ナイーブなくせにお調子者でイケイケの若いフェリシア(ガイ・ピアーズだよ)に本名をからかわれ”男丸出し”(しかも元軍人…)でボコる為に追いかけるバーナデット(テレンス・スタンプ最高だよ~)の貫禄・迫力ときたら。
鬼気迫るけれど最高におかしく、普段は常に貴婦人のような振る舞いとのギャップと相まって、彼、いや彼女?の生き方の凄みというようなものが伝わってくる。
主演のミッチ(ヒューゴ・ウィーヴィング)はもちろん彼ら3人の、超シリアスではないというより、ほんとにシリアスな状況にもいやでもしょっちゅうあっていたら、生き残る為にはしかめつらしくばかりなんか、してられないのよ!という、だからこその笑いのめすジョークや、舞台に夢を見、見せる人生の輝きがあり
へんにシリアスぶってるだけの映画にはない、真実味のようなものが、優しい彼らの手に包まれて届けられたように、そっと胸に残る。
お下劣なジョークも言うけれど、人にも繊細な彼らを思い出すと、自分にだけ繊細になんてけしてなっていてはいけないぞ、とその為になかなか言葉もうまいこと出てこないで無口になってしまうこともあるけれど…というようなことを思う。
誰だって間違いはある、完璧なわけなんてない、だけどだけど、自分や自分達には繊細な扱いを求めて、他の人が石投げられてる所に卵ぶつけにいくような真似は、何だかいやなんだなぁ…そんなことするくらいなら饒舌でなんかなくたっていいや。と
彼らのように華麗ではなくともせめてあの、互いに傷つけあうこともあっても、傷つくばかりじゃなく傷つけることもあるとちゃんと知ってるような所、学びたい、習いたい、とか。
なんでえべっさんの話からプリシラの話になったのかは、成り行きとしかいいようがないけれど、ともかくいい映画なので、未見なら見てソンはしないと
何回も見てるんだけど、私も思い出したついでに、また見てみようかなと思っているでござる。
この前朝いきなり早朝からテレビつけたら「恋する惑星」放送してたの見ちゃってもうくさるほど見ているというのに、やっぱりもう目から何かが滴るようなトニー・レオンの黒目に、ただただうれしーっうれしーってテンションだだだだだっと朝から5段階くらい、いきなり上がったものね。
好きな映画って、何度見ようと新鮮でそんな風にうれしーっものなのさ。きっと、たぶん。