月太郎
秋の野原をは~るばると~
月の~太郎に~
…会いに行っていました。
芒の影からじゃじゃじゃ~ん。
月太郎です。
今日もむん、とやや尖らせているね口の辺り。
憤怒にも見えるまなざしや
何かを訴えているようでもあり
空の遠くに
なにを思うか月太郎
樹の上にはカラスが止まり
それもずっと見上げて
ホワイ、ジャパニーズ・ピーポー!ホワイ!!…
そんなことは月太郎は言っていないけれど
何かを言ってるようには見えるんだけどな
何を言っているかはわからない
けど背中はにゃーん。
丸っこい。ちびまる子ちゃん的な何かも感じるけれど、愛らしさも哀愁も感じるちょいと丸まった猫背。
でも表側は太陽とにらみ合ってるようでその光を吸収するように天を仰ぎ続け、どっちにしても太陽に負けない気概のある顔に見えた。
向き合う太陽と月太郎を横目に、最後の一葉が時折の風にゆら、ゆら思い出したように揺れる。
さて、逢瀬の時間もそろそろおしまい。
またね、いつかね。
微動だにしないが色んな顔を見せてくれる月太郎。
名残り惜しいが
また会いにくるよ。
それじゃバイバイ、さよなら、再見、see you 。
芒にも手を振って
拝拝。
雨が、時間が…と言っていたらふと降って沸いたような秋晴れに、ついでに立ち寄れそうな方面に用も出来、月太郎に会ってきた。
勝手に月太郎と呼んでいるけれど、月太郎でも月の太郎でもない、
太郎の作った月なので太郎の月が正しいのかもしれない。
これからも月太郎と私は呼ぶけれど。
太郎が作ったものだけれど、ここでかそれとも別の場所で制作したのか、置く場所にも太郎はこだわったのか、設置する時に太郎も「ここがいいね」と言ったのか…はぜんぜん知らない、わからないけれど
このだだっ広い*1芝生を踏み踏みずーっと端のほうまで歩いていくとあるちょっとだけ小高い丘のような場所に、この像はとても似合っていた。
芸術なんてなんだかよくわからない、しかしこの月はなんだか存在感があり、けして間近に見ることの出来ない月の代わりにここにいるような気もするし
人は何にでも顔を見て、顔があれば表情を見てしまうものだと聞くけれど
その表情には、そう考えて作られた以上のものがこもってるような気もして
カメラははじめて持って行ったけれど、なんとなく時々会いに来たくなってしまう月太郎なのだった。
ということで唐突に、晩秋の日と月太郎の写真日記でした。
芝生の敷かれた公園で、特に草むらを突っ切ったわけでもないのに、帰ってから見るとカーディガンの袖や靴下に何かの枯れた草があちこちに引っ付いていて
やっぱり冬はすぐそこだけれどまだ晩秋っぽかった。
そして「なーに?どこへ行ってきたのよ?何引っ付けてるのよ?早く舐めてきれいにしなさいよ」と言いたげな猫にずーっと周りをうろうろくるくるされてしまった…
犬ならねぇぜひご一緒に連れていってわひわひ駆け回らせてやりたいような所だけれど、あなた広々とした場所へ行ったって、ちらっ、ちら…ぬーんと座り込んで、たまに唐突に草をむしゃむしゃ齧るくらいでちっとも楽しそうじゃないじゃない?
他の動物に出会ったりすると臆病なヤギかと思うくらい緊張して硬直するし…だからきみとは部屋で遊びまた天気の良い日には近所でも散歩をしようじゃないかっと思っているよー。
*1: 駐車場からちょっと撮りつつ行って戻っただけで約2時間ほど歩いていたのだけれど、これでまだそのぜんぜん一部分、全体はもう広すぎて端から端まで一度に行けた試しはない。