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六月に雨が

You should take your umbrella.

渇き

 

 

渇き [DVD]

渇き [DVD]

 

 

監督:パク・チャヌク 2009年韓国

出演:ソン・ガンホ キム・オクビン シン・ハギュン キム・ヘス

 

原題は「コウモリ」という意味らしい。 渇き (2009年の映画) - Wikipedia

もう一度クムジャさんを見たのはこれを見たからというのもあった。不思議な映画。

 

 

 

ストーリーはまったくamazonの言う通り

謎のウイルスを撲滅するため人体実験に志願した神父のサンヒョンは、輸血された正体不明の血液によってバンパイアになってしまう。湧き起る血への渇きに苦悩する中、サンヒョンは幼なじみガンウの妻、テジュに出会う。サンヒョンはテジュの不思議な色香に惑わされ、夫と姑に虐げられた生活から抜け出したいテジュもまたサンヒョンに強く惹かれていく。ある夜、血と官能の渇きに喘ぐ二人は欲望を抑えきれず唇を求めあい、かつて体験したことのない悦楽に身を焦がしていく。しかし、めくるめく情事を重ねる二人の罪深き愛には、知る由もない数奇な運命が待ち受けていた…

 

だけど、どうしてヴァンパイア、吸血鬼になってこんなに人間くさいの?
どんどん人間味が増していく。

 

ヴァンパイアが人妻と…というのからもう、えっ?そうだっけ?と驚いた。
吸血という行為が官能的に…というのはいくらでも見たことあるけれど、そんなことは出来なくなるものだとばかり思っていた、知らなかった。持っていたヴァンパイアのイメージとはまったく違うことに、ちょっと呆気にとられたけれど、でもソン・ガンホがっていうこと自体、イメージの外といえばそうだし

 

奇妙な男女の愛。罪深いといえばそうだけれど、かたや神父だけど吸血鬼、それも人体実験でこうなっちゃったって怪奇映画かコメディかみたいな状況で、だけど本人の苦悩は深刻で…もうどこから突っ込んでいいのかわからない、情事なんてもうぜんぜん大したことじゃなく思えてくる。
人妻であるテジュも、それ走り回ってないでそのまま走って逃げて!
簡単なことではないだろうけど、こんなことになるよりはずっとましに思う
けれど、あぁそうか、こんなひどくバカげた、狂気の沙汰のような事態にでもならなかったら、どうにもしようがなかったのかもしれない、二人とも。

 

 

スラップスティックのようにやってることも起こることもメチャクチャで、なのに人に現実味があって、とにかく神父さんも大真面目だし、真面目であればあるほど滑稽でおかしくて、かわいそうになった。

神父と出会い情事があり…と解放されていくテジュのほうはどんどん魅力的になる。エロティックで輝くように美しく強く、本当に渇いていたものがあっという間に水を吸収するように、女が咲き誇っていく。自身もヴァンパイアになってからは解放され過ぎてスパイダーマンのようにビョ~ンビョン飛んで、暴れてするテジュの姿に、もう笑ってしまったけれど、凶暴なくらい高らかに自由を謳歌する姿は気持ち良く、どこへ行くんだこの映画は?と思いつつ、狂的な開放感が伝染したみたいに楽しくて、もはやモンスター映画のようなヴァンパイアどうしの闘いに笑いが止まらない。

 

笑いながら恐ろしく、悲しくなった。

 

歯止めが何にもないって、こんなに怖いことなんだろうか?血こそ必要だけれど、あとよく知るヴァンパイアと同じように太陽の光はダメなんだけど、それ以外の万能感ときたら。テジュでなくてもああなって何の不思議も無い気もする。

 

神父はテジュの解放されたアナーキーさに、何とか止めようとするけれど、テジュに感情移入をしてしまっていると、なによあんたもヴァンパイアのくせに!いつまでも人間みたいなことを言って!ってつまらない情けない男に思うけれど

でもテジュだって人間の欲望のままにただ解放されただけ。神父がヴァンパイアであると知って一度は恐れるけれど、情事を続け、利用する。そんなに憎しみがあったのなら、どうせなら自分もさっさとヴァンパイアにしてもらい、自分の手で決着をつけるか、全て忘れてあんな家からはさっさと去ってしまえばよかったのだ。どこへでも飛んで行くことだって出来たのに。

 

と他人事だから簡単に言える。でも誰がどう言おうと、自分を解放するのは簡単なことじゃないんだろうな、テジュと神父を見てそう思った。だけど自分からも完全に解放されてしまったら…それはもう人の世では生きていけないのか

不自由な生き物。

韓国映画でよくあるようなひどく人間的で、だけど人間的になればなるほど滅びていかなくてはいけないというのなら、なんと不自由な生き物か。

 

 

愚かでおぞましい事をし可笑しく悲劇的で…こんな話を見せられて、なんだかそれでもこの二人を嫌いになれない、好きでかなしく愛しい。

 

 

復讐3部作よりメチャクチャな不思議な映画だけれど「なんかおもしろい映画ない?」って聞かれたら「これ見なよ。」って言いたい。だけど見せたらきっと怒らせるような気もするけれど。

 

 

 

 

 

 

(2010~2014に見た映画)

 

 

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