離別賦
「江湖」は難しいというか、京劇も書いていたり、古典を活かした作風という作家の張大春が全編作詞した作品。
ということで、その内容や意義については自分でもとても理解できていると思えない、どうこう言えたものではありませんが、音楽として聴いて
確かに聴く人に寄り添うような、華健らしいというような曲ではないと思うけれど、親しみやすい歌ではないぶん研ぎ澄まされたように響いてきて、華健の音に歌の力に、世界が広がるように感じた。いいアルバムだと思う。
概要にも解説が書かれている
遠くへ戦に赴く男とその妻子の最後の時を歌っているという
静かに抑えている感情、離れることのない心、無常が聴こえてくることが悲しく、この年齢の男性だからこそ歌える境地なのかもしれないと感じる
個人的にはこの「離別賦」がとても好きです。
ウィン・シャ(夏永康)による映像が美しいMVも公式にアップされているけれど、このアルバムの題字も書いている台湾の書家・周良敦による書で見るこのMVも、恥かしながら理解が及ばずとも、重なって響いてくるように思う。
官方では他にも、歌に映像と舞台上でのパフォーマンスでと「江湖」の世界を多角的に堪能させてくれる北京で開催された鑑賞会のもようの完全版も太っ腹に公開されていて、まだありました。
周華健 X 張大春【江湖萬人鑑賞會】官方完整版 - YouTube
1時間超えと長いのでお時間と興味があればよかったらどうぞ。
「江湖」というものについて「江湖」というと武侠ものの他、香港映画の黒社会ものが浮かぶかもしれませんが”そもそもは単なる世間であり、官に対しての野であったものがアウトロー達の特殊な社会を表すようにもなり…”と今昔のヒーロー達の生きる世界「江湖」についての解説はこちらの本でも読むことが出来ます。